開展にあわせて、高知県にある香美市立やなせたかし記念館に伺いました。
高知龍馬空港から車でおよそ40分(高知市中心地から約60分)、物部川の上流へあがっていく途中、自然豊かな所にあります。
今回、作品が展示されているのは、「詩とメルヘン絵本館」「別館」の2つの館です。同じ敷地内に、アンパンマンミュージアムとは別の建物としてあります。
まず別館からご紹介。
今回、大賞をいただいたぷるすあるはの「特別展示」が行われています。10/31まで。
入って正面、向こうの壁一面に、チアキのキャンバス作品が並びます。
大きな作品、絵本の主人公の絵、表紙の絵など。書籍の表紙で有名になったドットの絵もいます。
左:ロボット/右:モザイクの絵は外へ広がる世界
上:ホロちゃんいろいろ/下:光の向こうに
視線を手前に戻すと…チアキのドローイング。
#チアキのらくがき、として定期的にツイッターに登場する大量のポストカードです。
学芸員さんのカードのチョイスに意図を感じつつ…. 次のコーナー、絵本の原画ゾーンへ。
2012年にゆまに書房より出版した『ボクのせいかも…-お母さんがうつ病になったの-』
この一冊の絵本の原画が、最初のページから最後のページまで、テキストを添えて展示されています。
ボクのせいかも…
お母さんがうつ病になったの
原画 pic.twitter.com/TPecRVitBi— プルスアルハ/ぷるすあるは (@pulusualuha) September 8, 2022
スカイのせいじゃないよ
だれのせいでもないよ
ひとりじゃないよ pic.twitter.com/AjfyX7w3rq— プルスアルハ/ぷるすあるは (@pulusualuha) September 8, 2022
ぷるすあるは(プルスアルハ)の原点の絵本であり、その想いを大切に展示構成を考えてくださったことが伝わってきました。
さて、左手の壁には、ぷるすあるはのプロフィールと受賞の言葉。そして、おふたりの編集者さんからのコメントが展示されています。
ゆまに書房の高井さん、『生きる冒険地図』の学苑社の杉本さん、ありがとうございます!
『生きる冒険地図』と『ゆるっとこそだて応援ブック』は手作りダンボール額のレプリカでの展示です。
館の右側の壁は、もう一冊の絵本の原画コーナーです。
『発達凸凹なボクの世界-感覚過敏を探検する-』(ゆまに書房)
2016年出版のこの絵本の原画は、いくつかの技法を組み合わせていて、表現が少し複雑になっています。
目にみえない「感覚」。ひとりひとりちがう感覚をどう表現するか?
例えば、身近な素材でスタンプのように推した表現。砂を混ぜた絵の具。コラージュ。背景とモチーフを別々に描いて画面上で組み合わせたページ、など。チアキの試行錯誤がつまっています。
原画ならではの良さを楽しんでいただけたらと思います。
今回の高知行きは、感覚過敏っ子タクの相棒「ウサゴロー」のあみぐるみと一緒にまわりました。写真は、実物(絵)と対面しているところです。
さらに、細かい気遣いが展示の中にいろいろと…
ぬりえコーナー。
アンパンマンの机(^^)。その場でぬっても持ち帰って楽しんでもok。
チラシコーナー。
香美市の子育てや福祉関係の情報も掲載くださっています。
別館には、mamaro(特設授乳室)が設置されています(授乳だけでなく、オムツ換えなどベビーケアのための個室としてご活用ください。男性の方もご利用いただけます。とのことです)。
別館の特別展示は、10/31までです。
その後は、作品のいくつかは次に紹介する前期展示の方へ移動する予定だそうです。
では次に「詩とメルヘン絵本館」へ。
》第2回やなせたかし文化賞・受賞者展が始まりました(後編)