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Q17.子どもにイライラするーゆるゆる子育て実践編

Q17.子どもにイライラするーゆるゆる子育て実践編
2019年8月3日 pulusu

ゆるゆる子育てを担当している公認心理師・臨床心理士おがてぃが、子育ての相談に回答するコーナーです。

 

質問タイトル: 子どもにイライラする。
年齢:そのほか

 

質問内容

大人になってからADHDの診断を受けた主婦です。仕事はしていません。片づけられないのと食事とか家のこととか、朝ごはんをつくるのに4時間くらいかかります。子どもを学校に送り届けるとぐったりして、帰ってくるとまたご飯ですごくイライラして、子どもに当たってしまいます。子どもにも同じ傾向があるんじゃないか、それとも自分のせいなのか心配です。夫は帰りが遅くて無関心です。どうしたら良いでしょうか?

 

おがてぃの回答

 

メールをいただきありがとうございます。
子育てや日々の生活で大変な様子が伝わってくる感じがしました。お疲れ様です。お子さんに対しても本当は優しくしてあげたいのに、つい余裕のなさで当たってしまうんですよね。それに旦那[だんな]さんにも協力してもらえない。なかなか難しい問題だと感じました。

 

まず、僕だったらどんなことから取り組むかなぁと考えたのですが、ひとつは1日の生活スケジュールを見直すところからはじめてみたいなと思いました。もしかしたらもうすでに取り組んでいるかもしれませんが、メールを送ってくださったということは、たぶんその見直しが上手くいかなかったのだと思います。

 

見直しがうまくいかないポイントとしては、ひとつは、調子の良い時にあわせてスケジュールを組んでしまいやすいこと。
特にADHDの方は調子の波がある方が多く、調子の良い時にあわせてスケジュールを組んでしまうと調子が悪い時にくずれてしまい、そのままになってしまうということが多い気がします。なので、自分の調子が悪い時にどうするかも合わせて検討していけるのが良いかと思います。

 

2つ目のポイントは、自分の生活を客観的に振り返ることが難しいこと。
これは自分のやりたいこと、好きなことに気が向きやすい反面、嫌なこと、苦手なことはどちらかというと避[さ]けたい、一旦取りかかってしまえばしっかりこなすのですが、そこまで気持ちを持って行くことが難しく、また今度はとことんやりすぎて疲れてしまう方もいます(部屋の掃除などはそれが顕著[けんちょ]です)。
なので、できることなら第三者、診断をもらった医療機関や相談機関、家族でもし旦那さんに相談できるならその方でも良いですし、お友達などでも良いので、一緒に無理のないスケジュールについて検討してみると良いかと思います。

 

3つ目のポイントは、ついつい無理をしがちなスケジュールを組みやすいということ。
僕の関わってきた方々は真面目な方が多く、手を抜くということがなかなかできませんでした。「家にいるのだから食事はしっかり作らなきゃ」「子どもには手ぬいの手提げ袋をもたせたい」「主婦なのだからそのくらいやらなければ…」という考えから、自分で自分に課題を押し付けるようにしていたのです。

 

でも、子どもにとって、自分にとって、本当に大切なこととはなんでしょうか?
僕としては「日々、お互いに無理なく楽しく過ごす」ことの方が、手の込んだ何かよりも大事ではないかと思うのです。もちろん余裕があれば手作りのものでも良いのですが、子どもに当たってまで作る必要はないということです。
疲れた時にはご飯がレトルトでも良いと思います。
少しぐらい部屋が汚れていても良いです。時々ハウスキーパーに頼るのもいいでしょう。
そうやって少しでも気持ちに余裕を持った上でお子さんに「おかえり〜今日は学校どうだった?」と笑顔で迎えられるのが、何よりなのでないかと思うのです。

 

そのためにはメールをくださった方自身が何より日々の生活を楽しんでいけるのが大切かと思います。メリハリをつけながら、日々楽しめることを見つけていけると、きっと自分にもお子さんにも、ついでに旦那さんにも良い影響があるのではないかと思います。

おがてぃ
普段は行政機関で相談員をしています、3児の父です。
公認心理師。臨床心理士。

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(子育ての質問第2弾は、2018年3-4月にウェブサイトで公募しました。ご質問ありがとうございました。)


 

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