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Q15.大学生の息子との関わり方ーゆるゆる子育て実践編

Q15.大学生の息子との関わり方ーゆるゆる子育て実践編
2019年6月8日 pulusu

ゆるゆる子育てを担当している公認心理師・臨床心理士おがてぃが、子育ての相談に回答するコーナーです。

 

質問タイトル: 息子との関わり方
年れい: そのほか

 

質問内容

はじめまして。ひゅうと申します。私は52歳、息子は21歳の大学3年生です。
精神疾患ありと思われる両親に育てられ、混乱の子供時代を過ごしました。同級生との話が合わず休み時間は体育館の裏で過ごし、なるべく関わらずに過ごしました。
とにかく色んな事があり、今は離婚して息子と二人暮らしです。鬱[うつ]と不眠症が20年続き、離婚のあたりからパニック障害やPTSDがあります。メンタルクリニックに通いながら働いています。でも、体を壊し、病気休暇中で、今はデイナイトケアに通っています。
生まれた家庭は機能不全でしたので、息子には心をくだいてきたつもりです。息子はアスペルガーと注意欠陥があります。そろそろ就活の時期ですので、自分の強みを明確にして就活に活かしたいのですが、大学では手帳がなければ、その方面の学生としての就労支援は登録出来ないとの事です。
一応、発達障害の就労支援の本や活動しているグループや当事者の集まりなどの情報は息子に提示しました。後は、本人が自分で動き出すのを見守ればいいのでしょうか。
この先は、自分でやってもらいたいのですが、このタイプの子供の場合は、どこまで親がヘルプするものなのか。親にヘルプしてもらった経験がないし、高卒のため分かりません。
自分が精神不安定でデイナイトケアに通っていて、転職の危機でもあり、経済不安もあり、かなり限界な感じです。
一応、息子は哲学者になりたいと言い、大学院に進学するつもりで勉強しています。息子に自分の事は自分でやれと言い放って見守ればいいでしょうか。こんな時に精神を病んでしまい息子に罪悪感もあります。

 

おがてぃの回答

 

ひゅうさん、メールをいただきありがとうございます。
メールを読んで、ひゅうさん自身の子供時代から本当に色いろと大変なことがあったのかと推測しています。また、現在も鬱と不眠症、パニック障害とPTSDがあるとのこと、日々の生活も色いろご苦労があるかと思います。
メールでは大したことはいえませんが、日々本当にお疲れ様です。
さらに今回は息子さんのことで悩まれているとのこと、自分自身のことだけでも大変なのに息子さんの将来のことまで考えていらっしゃる姿勢に、自分がもし同じ状況だったとしたら、自分のことでいっぱいいっぱいで子どものことなんで考えられないのではないかと思い、同じ子どもを持つ親としてひゅうさんに敬意を感じました。

 

 

今回のご相談は息子さんのとの関わりとのことで、自立に向けてどこまで親が関われば良いのかということかと思います。
このことは個別性が非常に高い内容で、障害や特性による生活の困難さから、その時に置かれた状況まで様々なことが関連しているので、一概[いちがい]にこうした方が良いというのがなかなか難しいと考えています。
ただ、大まかな方向性としては、大学生年代で基本的に自分なりに考えがあり、それなりにそれに取り組んでいるのであれば、それは本人に任せて良いのではないかと思います。
ひゅうさん自身は本人に就労や発達障害に関連する情報を提供していますが、それを利用するかしないかは本人次第なので、今のところは様子を見ていても良いかと思います。

 

 

しかし、息子さんにはアスペルガーと注意欠陥があると書かれていますので、息子さん自身が相談したいと思っても、社会性やコミュニケーションの問題から、そういったところにつながれないという可能性もあります。その場合は大学の相談室や本人が現在つながっている相談先に相談するよう、促していければそれで良いのではないでしょうか。
大学院への進学を検討しているとのことですが、僕自身としては経済的な部分が大変気になっています。本人にそのことを伝え、経済的な負担を自分自身でも担っていくという覚悟があり、具体的にどのようにしていくのか(奨学金やアルバイトなど)が決めていければ任せ、それが自分一人では難しいようなら、やはり相談に行くよう勧めていけると良いかと思います。

 

 

このくらいの年齢になると自立に向けての関わりとしては、親自身が本人の困りごとを解決する手助けをするというよりは本人の相談先を増やしていき、そちらで解決してもらう機会を増やしていうことだと思います。
発達的な凸凹のある方は、往々にして相談があまり得意ではないことが多いので、相談先に繋がるまでは少しサポートしてあげて、その先は本人と相談先の人とでやってもらうようにしていけると良いのではないかと思います。
なかなか結論が出なかったり、相談先に繋がらなかったりとヤキモキすることもあると思いますが、本人のペースをゆるゆると見守りつつ、ひゅうさんはひゅうさん自身のことにも取り組んでいただけると良いかと思います。

おがてぃ
普段は行政機関で相談員をしています、3児の父です。
公認心理師。臨床心理士。

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(子育ての質問第2弾は、2018年3-4月にウェブサイトで公募しました。ご質問ありがとうございました。現在、新たな質問は募集していませんm(_ _)m)


 

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