正方形の小さな絵本
40ページからなるショートストーリーです

基本情報
『ボクは話せない…』
作 プルスアルハ
イラスト:チアキ
定価 550円(税込)
148mm×148mm/40ページ/中綴製本
サイタンナチュラル菊判69.5K(素材感のある薄いクリーム色の紙)/2色刷り
2016年発行
発行 NPO法人ぷるすあるは
制作協力 埼玉県中央児童相談所
1 内容
40ページからなるショートストーリーです。
話せない気持ち、話さないけどいろいろ感じているよな、をボクが代弁してくれて、どんな気持ちもあってだいじょうぶ、でも しんどい時、がんばりすぎている時には、話していいよというメッセージをこめました。

埼玉県中央児童相談所の協力で作成した絵本です。
埼玉県版(2016年刊行)は、県内の小中学校と関係機関へと届けられました。最後のページに埼玉県版の相談先を掲載。
販売用の冊子は、相談先は空らんで書きこめるようになっています。
2 動画
全編動画で見られます(1分38秒)。
3 制作にあたって
虐待、特に性虐待の治療に携わっていると、長期間ひとりで我慢している子が本当にたくさんいます。
話してもいいよ、真剣に考えてくれる大人がいるよということを、子どもに届けられたら、という想いでこの絵本を作りました。相談機関に置く本というよりも、そこまで来れていない子どもへ。片手でパラ見できるような、サイズ感や手ざわり。 学校の保健室や相談室でふと手にとれる本をイメージしました。虐待に特化したストーリーではなく、幅広く活用できます。
イチ押しは、あっかんべーのシーンです。苦しいとかつらいとか言えない、いろんな言えない気持ちがココにぎゅっと入っている気がして …。
*
「ボクはロボット、だから傷つかない」のシーンをみて、「全然平気」「全然大丈夫」と言う子どもたちの顔が浮かんできます。
そんなボクが、(話してもいいよ)「え ホント?」と心をちょっぴり和らげる様子に、ほんとなの?って思ってくれた! そうだよ!と私もいっしょに声をかけたくなる。
この本がなにか少しでも心にふれるきっかけになったら、と思っています。
*
よく語られる「自分を大切に」のことばは、子どもには届かないと思うんです。 泣きたいときは泣いていい。つらいときはつらいって言っていい。怒っていい。ちゃんと大人が聴く耳をもって、そのことを伝え続ける。子どもが少しずつ気持ちを言えるようになると、大人のことを信用できるようになります。
「話してくれてありがとう」が大人が伝えられることだと思います。

埼玉県中央児童相談所(制作協力)
暖かな紙質に合うように鉛筆の線を選びました。濃いグレーの色鉛筆をカッターナイフで削って、少し太めの柔らかな線 にしました。
シンプルな線描のボクの表情の中でも、目の表情にこだわっています。
話せない気持ち、話さないけどいろいろ感じているよな、をボクが代弁してくれて、どんな気持ちもあって大丈夫、でも しんどい時、頑張りすぎている時には、話していいよというメッセージを込めました。
ちょっと可愛いけれど甘すぎないシンプルな絵本、思春期の子や男子にも見てもらえる工夫です。
大人の方にも、子どもの感じる気持ち、話せない気持ちを体感してもらえると思います。
最後のクマは、信頼できる誰かに置き換えてもらえるようにクマにしました。ゴマスキー(ぷるすあるはのマスコット) がモデル。ピンクの色を最後に足すことで、暖かさと、こころが開く感じを表現しました。
チアキ
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