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「死にたい」「消えてしまいたい」と言う人と出会ったあなたへ 〜おがてぃのゲートキーパーの話〜

「死にたい」「消えてしまいたい」と言う人と出会ったあなたへ 〜おがてぃのゲートキーパーの話〜
2020年11月19日 pulusu

「死にたい」「消えてしまいたい」と言う人と出会ったあなたへ
〜おがてぃのゲートキーパーの話〜

みなさん こんにちは。 おがてぃです。
今回はまた新シリーズでコラムを書かせていただくことになりました。今回のテーマは、自殺予防になります。

最初に…
今、この話題を目にするのはちょっとしんどいな…と感じるときは無理に読み進めずに、閉じていただけたらと思います。初回のこのコラムでは、シリーズを始める意図と「ゲートキーパー」とは何かについて、説明しています(222文字)。

<ページの最後に、相談先、身近な人を自死でなくされた方のサポートの情報を掲載しています 》相談先情報へとぶ

 


 

最近「著名人の方が亡くなった」「女性の自殺者数が増えた」など、自死に関するニュースを目にする機会が増えています。また、警察庁の発表によると令和2年10月の自殺者数は昨年度に比べて増加しており、2年7ヶ月ぶりに1ヶ月で2000人以上の方が亡くなられたとのことでした。

 

そういった自死にするニュースを目にするたびに普段の相談から自死を防ごうと改めて思います。しかし、実際に「死にたい」気持ちをお持ちの方がすぐに相談できるかというと、とても勇気のいることなのでなかなか難しいのではないかとも思っています。そうなると、僕が相談室の中で相手を待っているだけでは防げないのではないかという気持ちがあります。

 

さて、みなさんは「ゲートキーパー」という言葉をご存知でしょうか?
自殺予防の対策などではこのゲートキーパー養成が大切であると言われており、自治体や大学などでもゲートキーパー養成のための研修が実施されています。
そこで、今回のシリーズではそのゲートキーパーの役割や実際にどのような活動をしているのかをみなさんにお伝えして、身近な方をサポートすることについて一緒に考えていきたいと思っています。


 

初回である今回は、そもそもゲートキーパーとはどのような役割を担った人なのかについて書かせていただきます。ゲートキーパーとは直訳すると「門番」ですが、自殺対策の中では自殺の危険のある人に適切な対応をすることができる人のことを言っていて「命の門番」という意味合いがあります。
厚生労働省のホームページでもゲートキーパーに関する説明されており、平成19年に閣議決定された自殺総合対策大綱の中で重点施策として様々な領域でゲートキーパー養成研修を実施していくことが示されています。

 

このゲートキーパーの特徴としては専門職だけでなく、自殺の危険のある人の周囲にいる人がその役割を担うことが期待されており、特別な資格のある人だけが特別な場所でのみ行うのではなく、日々の生活の中で関わる人が実施できると良いとされているところになります。

 

では、ゲートキーパーとは実際どのような活動を期待されているのでしょうか。ポイントとしては「気づき」「傾聴」「つなぎ」「見守り」の4点が挙げられています。それぞれのポイントの詳細については今後のコラムでお伝えしますが、ざっくり言うと「辛そうで、しんどそうにしている人に声をかけて、話を聴いて、適切な支援機関や信頼できる人につなげる」ということになります。

 

この役割を担う上で一番難しいを僕が感じているのが、「気づき」と「傾聴」の間にある「声かけ」という行為です。
辛そうな相手がいたとして「いま死にたいですか?」とはそうおいそれと尋ねられないかと思います。また、相手も自分がいま死にたいと言う気持ちがあることを相手に伝えるのは勇気が入ります。迷惑をかけたくない、めんどくさい人だと思われたくない、話したってどうにもならない…など様々な気持ちが湧くからで、特にご家族など身近な人には話しにくいのではないかと思っています。

 

そのため、こちらから声をかけて話しやすい流れをつくる必要があります。
「最近元気がなそうに見えるんだけど…」「しんどそうに見えて心配している」という風に声をかけ、少し話を聴いてから「実は最近相談を受ける相手には尋ねるようにしているのだけど…」「子ども情報ステーションのおがてぃのコラムに載っていたのだけど…」「心配な人にはこう尋ねるようにと言われているのだけど…」など伝え、「最近、死にたいとか消え去りたいとか思ったことある?」と尋ねていけると良いかと思います。

 

この「死にたい」という気持ちを尋ねることはとても勇気のいることだと思います。また「死にたい」という気持ちを話す人の方も勇気のいることです。なので、なかなか話題しにくいのですが、ゲートキーパーの役割を担っていく上ではとても重要な声かけになると思っています。

 

もちろん何でもかんでも尋ねれば良いということではありません。いきなり尋ねたら相手もびっくりすると思います。
なので、先ほど書いたように、まずは相手の話を傾聴し、辛さやしんどさに共感しながら話を受けとめ、タイミングをみて尋ねてみていけると良いかと思います。もしそういった話が出てきたら、それらを受けとめながら相談機関や信頼できる人につなげていけると良いでしょう。

 

下記にゲートキーパーに関する厚生労働省のホームページのURLを記載しておきます。より詳しく知りたい方はそちらの方もみていただけると良いかと思います。

》ゲートキーパー|厚生労働省ホームページ
》あなたもゲートキーパーに!大切な人の悩みに気づく、支える|政府広報オンライン

 

***

今回のコラムはできるだけ多くの方にこの話を知って欲しいので、TwitterなどをはじめとするSNSで、できればこれから書くゲートキーパーのコラムをシェアしていただけるとありがたいです。

#ゲートキーパーの話

とハッシュタグをつけて、そういった関わりのできる人を増やすことが自死を防ぐことに役立つと思っています。
このコラムを読んで学んだ人が増えることで、なかなか支援が届きにくい、人に相談するのも難しいといった方に支援が届くことを願っています。

相談先の情報

 

》電話相談窓口情報(厚生労働省のページ)

》いのち支える相談窓口一覧(都道府県・政令指定都市別の相談窓口一覧|自殺総合対策推進センター

》生活を支えるための支援のご案内|厚生労働省(最終更新7/16)

身近な方を自死で亡くされた方の相談先などの情報

》遺されたご家族へ ―自死遺族の方へ―

厚生労働省|こころの耳(働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト内)
遺族のつどいの情報、弁護士による 電話相談(自死遺族ホットライン)、臨床心理士による電話相談などが掲載されています。

》NPO法人全国自死遺族総合支援センター<グリーフサポートリンク>

自死遺族相談ダイヤル(自死遺族のための電話相談)を行なっています。
全国の身近な人を自死で亡くした方のつどいの情報などを掲載しています。