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ゆるっとこそだて応援ブック制作企画『パパ・ママ・ご家族への応援メッセージ』

ゆるっとこそだて応援ブック制作企画『パパ・ママ・ご家族への応援メッセージ』
2020年7月13日 office

2020年3-4月にかけてインターネットで募集した『ゆるゆるこそだて応援ブック』制作アンケートに寄せられた声のページです。
タイトルはその後『ゆるっとこそだて応援ブック』になり、ナビゲーターのマメ(子ども・チアキの分身)が登場することになり、少し本のテイストはかわりましたが、目的は変わらず、精神障がいなどさまざまな事情を抱えながら子育てしている親御さんを応援する本です。8月末-9月上旬の完成に向けて現在制作を行なっています(→さらにスケジュールに遅れがでています…)。
いただいた声、全て読ませていただきました。本に直接のっていなくても…描くときのイメージの参考にさせていただきました。
公開が大変遅くなりましたましたが…よせられた声を紹介します。ご協力ありがとうございます!

 パパ・ママ・ご家族への応援メッセージ

 

・他の保護者さんとの会話やネットで見かける「子育てあるある」に共感できなくても大丈夫。みんなが笑って共感できるあるあるばかりじゃない。子どもに病気や障害があったり、親に病気や障害があったり、外国ルーツで違う文化を持っていたりすれば、あるあるも「ないない」で当然。「うちはそんなにちゃんとできてない…」って、私もいつも思ってます。とりあえず健康で、それなりに笑って過ごせていれば、あとはオマケでいいかもしれない。ごはん作る元気が無い、しんどい時には寝ていたい、片付けも掃除も適当…私も一緒です。どこまでがOKなラインの「ゆるゆる子育て」なのか不安になったら、信頼できる誰かに相談してみるのもいいと思います。もうちょっとだけ改善したほうがいいことが見つかったら、いろいろな支援を頼ってみるのも全然ありです。自分だけでなんとかしなきゃ、できない自分はダメな親なんだと思うと苦しいから、みんなで暮らしやすくなるようにやっていきましょう。(ミィさん)

・子育ては体力も気力も必要で長丁場ゆえ、疲れを感じることは当たり前です。それぞれ休んだり、誰か信頼できる人と負担を分散しながら、一緒にやっていきましょう。(ゆかゆかさん)

・保護者である自分、ただの自分が、大切に思っていることを、大切にしてくれる支援者や仲間は必ずいます。
その人たちは、【あなたは最善を尽くして今、ここにいる】と感じてくれているはずです。
子どものために、なんとかしたい!と感じる自分を時に優先にしてもいい時があります。
自分らしさはわからなくても、自分に違和感を感じることとは距離を取ってもよいのです。
そうすれば、結果として自分らしさは守れます。
今目の前にいる達観していそうな先輩保護者さんだって、たくさん失敗を繰り返して【今】があります。
例え、子どもとの関わりで失敗しても、関係を取り戻せるのが保護者、家庭の立場だと思います。
辛い時には無理に誰かと出会わなくてもいいですが、その時にいろんな人と出会う勇気も少しだけ残しておいてください。(hinaさん)

・頼られると、案外嬉しいものだ!(のんさん)

・困った子は、困っている子。
分かっていても親がしんどい、辛い時はたくさんありますよね。うちもまだまだしんどいですが、子供が自分の意思でいろいろ決められるようになると楽になる部分は大きい。知的重度でもそれはこつこつ積み立てられます。少しづつ楽になりましょう。(はままきさん)

・自分が自分らしくいることが、子どもが安心できるパパ、ママでいられることにつながると思います。私もそう思って自分を大事にします。(エリンギさん)

・共通の愚痴を話せる人や仲間を持てるといいです。話したい内容が、普通の親御さんでは退いてしまうような内容なので。インターネット上には、良くないことが多いと感じますので、情報に流されることのないようにしてほしいです。息抜きする時間を持ってほしいです。頑張りすぎて、お母さんがダウンしてしまわないように。そういう方を見てきていますので。(Nさん)

・親が自分から「線」を引かないようにしてほしいです。不自由な面があっても、子どもの可能性は親には決められないです。同じ年齢や地域の中で「一緒に」暮らしてほしいですが、私が経験した40年前より、今の方が「一緒に」が、やりにくいのかもと感じています。(Kさん)

・あれから何年が経ち、去年も友人の笑顔は、変わりませんでした。養護学校に行っている息子さん。保護者会会長をしていたと聞きました。(桃子さん)

・こどもと過ごす事ほど、大変で重要なお仕事はありません。命を育てるというおお仕事です。みんなで協力していけることが大事だと私は思います。(つぐみさん)

「こんなことが大変でした…困りました…」の声

 

・母が子供の好きな遊びで相手をするのがどうしても辛いことがあります。息子は警報やサイレンの音が大好きで、一緒にいるとその音を聴いているのが本当に辛いです。

・発達の困り感、学校に行きたくないと感じている子どもたちとの生活自体が、理解してもらえていないと強く感じる時が一番絶望感の強い時でした。
「そのくらい、大丈夫!」「お母さんが笑顔で元気でいなきゃね」「頑張りすぎてるんじゃないの?」全部、心配下さる方の慰めや激励の言葉です。
でも、「大丈夫ならどんなにいいか!」「私は本当はもっと元気でいたい。元気で笑っていられないのは私のせいなの?!」「頑張りすぎというなら、母が頑張らなくてもいい世の中にしてください。」

・「常にポジティブであれ!」の声かけで、自分のポジティブさが見えなくなりました。
だから、周りと関わりたくても関わると辛い。あの時、私は本当に孤独だったのたと、今振り返っても思います。
自分だって、ちゃんとポジティブさはすでに持ち合わせている。
その自覚に立てる支援が一番うれしいと感じて、メンタルヘルスの仕事につながっています。

・本人は、全てにこだわりがあり、いつもの流れが一つ崩れてしまうと、そのあと何もできなくなってしまいます。特に外出時の食事が大変で、一切飲まず、食べず、トイレに行かず、になってしまいます。体調が心配なので、せめて水分は摂ってほしいのですが、そうはいかないです。

・本人は、時間にこだわりがあります。例えば、朝は、7:15に起きて決まったTV番組を点けて、観るでもなく朝ご飯を食べ身支度をして、番組が終わる7:35になったら出かける、と決めているようで、学校の送迎バス7:45まで、毎朝ギリギリです。送迎バスのバス停までは車で送るのですが、送迎バスは1分たりとも待ってはくれません。私がどんな体調でも、とにかく送迎バスに乗せてからでないと、休んだり寝たりはできません。

・本人は、写真や一覧表などを用意しても、何がいいか、どう思っているかなど、指差しなどの意思表示は今はできません。また、新しいことができるようになったり、これまでできてたことができなくなったり、その「スイッチ」みたいなものも、親でも分かりません。

・保育園への送迎、登園時間までに送らなければならないことが…きついのを理解してもらえない事

・仕事がうまくいかない時の感情のコントロール、仕事が忙しいために子と過ごす時間が少ない時の罪悪感への向き合い方

・友人の長男さんは、言葉は話せず時には暴れていました。家の中、壁に穴が開いていました。

・妊娠・出産前後の検診、怒濤の予防接種、育児と家事の両立、子どもの進学に伴う手続き、子どもの発達凸凹への対応(学校側との調整、話し合いなど)。
吃音なので、電話をかけることが苦痛。

・仕事がむちゃくちゃ忙しく、かつ子供が幼かった時期、子育てと仕事のダブルパンチ

・産まれて「ダウン症」と分かった時に、医療関係者から「ダウン症」はこうだとデータだけで話しをされて、どうしていいのか分からなくなってしまいました。「ダウン症」の特徴、手が短い・耳の位置が低い・指紋が無い…などを言われて、「私は何を産んでしまったんだろう、宇宙人でも産んでしまったのか…」と思いました。親に似てるとか似てないとか、そういう話しでは全くありませんでした。

・入学や通所などで希望を伝えると、行政から「なんで?、なんで?」と言われ、手続きも大変だったことが度々ありました。その経験から、どうせ言われるのだったら、自分の思うところに行かせた方がいい、と考えていました。

・保護者の知的障害や発達障害が濃厚に疑われるが当事者には自覚なく、子育て支援や家事援助などの福祉サービスを導入しにくい

・「とくかく寝ていたい、体を休めたい」と思っても、自宅で子どもを見てくれるサービスがないこと。自分の障害福祉サービスとして居宅介護を使うときには、「私の」ための支援として家事援助をしてもらう形になるし、自治体の子育て支援策としての子育てヘルパーなどの制度は制約が多く使い勝手がよくない。ファミサポも基本的には提供会員宅で子どもを預かることになっていて、利用したいと思えない。民間のベビーシッターは金銭的な負担が大きいし、病気の親が利用することを想定されているのかわからない。子どもを見てもらって自分は少しでも休みたいというニーズは、精神疾患の親に限らずたくさんあると思うのに…と思います。

・赤ちゃんの頃にはとにかく寝入りが悪くひたすら立って抱っこ。食事を主人が口に運んでくれました。療育施設へ2歳から通い始めた頃は癇癪[かんしゃく]の意味が分からず先回りで原因と思われるものを隠しました。

・「乳児院が空いている」と産院で言われるがままに預けたらほとんど説明はなく、1年以上返してもらえませんでした。また、早く返してもらうための親のサポートはほとんど受けられませんでした。

・子育てが2人になった時、2歳差の子2人の育児にストレスが溜まっている自分にだいぶ気がつかず、イライラしていた。自宅で見てました。
イヤイヤ期の子が赤ちゃんがえり、下の子は活発に動き怪我が多く目が離せず、何をしているかわからないうちに時間が過ぎる毎日でした。

・ご飯の素材だけはあって、つくる気力が全くない時で、夜になったとき。子どものおなかがすくし、自分がやらないと食べられないとき、でもしんどかったとき

・特別支援学校の卒業後、私は働きながらどうできるのか見えないです。施設へ通っても、15:00で帰ってきてしまいますし、20歳で親から離れていくものが離れていかず、私はどうしたらいいのでしょうか。

「こんな工夫でのりきってきました・こういうのが役立ちました」の声

 

・子どもたちとは、とても大事なことはメールなどでやりとりをしています。
修学旅行の服薬は、小さな水ボトルに薬を貼りつけてもたせました。(時間に押されて飲み忘れても大丈夫なように)
片付けは全てワンアクションに。(衣類は干したハンガーそのまま、持ち物も全て壁掛け)
むやみに励まそうとしない。対話は「教えてくれてありがとう」から始める。
自分も子どもも楽しみだけは、予定を崩さない。(何ができたら!のご褒美は、できてもできなくてもいいこと)→取り組むこと自体が罰になるようなことは避ける

・直接、言うのが負担になるので、お手紙を書きました。

・心理学・哲学・マネジメント論…なんでも良いので、仕事と子育てにおいて役に立ちそうな本を読み、実践すること。論理的思考が身につくことで、精神の安定につながります。仕事の悩みは、仕事でしか解決出来ないと割り切ること。子と過ごす大事な時間を楽しむことが出来ます。子どもは社会の中で育つものだと理解すること。親があれこれ干渉しなくても、子どもには、自分で学び成長する力があります。大切なのは、子と過ごせる時間は、子とのコミュニケーションに集中することと、たっぷり愛情を伝え、たっぷり甘えてもらうことです。

・まだ乗り切っていない。

・子育て・家族を最優先事項とする意思決定をして仕事を変えた

・当事者からのニーズがない時でも様子伺いの連絡をするなど、丁寧な関係づくりを意識するなかで、困りごとを(問題行動として表現するのではなく)困っているとヘルプサインを伝えてもらえるようになった

・幸い、実家との関係がそれほど悪くないため、私の母に手伝ってもらうことも多くあります。ただ母も平日は仕事をしていて、祖母の介護や通院の付き添いなどがあるので、スケジュール調整のために、私と夫と母で共有カレンダーを作ってそれぞれの予定を確認しています。
家事援助でヘルパーさんに来てもらっていた時も、とても助かっていました。最初は週2でそれぞれ別の方が来ていましたが、お一人とはどうしても合わない部分があり、週1で気が合うヘルパーさんに来ていただくので落ち着きました。そのヘルパーさんが退職されるのを機に利用を一時停止していますが、大変な時を助けてもらえたことが励みになって、なんとかやれています。
その他にも、ベビーフードや冷凍食品、お惣菜やお弁当もフル活用。正直、罪悪感はあるけれど、余裕を持って子どもに向き合えるほうが大事だと自分に言い聞かせている。
TVやYouTubeもずっとつけっぱなしでなければ活用してOK。歌ったり踊ったり子どもと一緒に楽しむきっかけにする。
言葉がわかるようになってきたら、自分の体調が悪い時はそれを説明するようにする。不安なまま我慢させるよりは、調子が悪いことを伝える。
怒鳴ったり、頭にきて私は隣の部屋に行って十数分放置して大泣きされたり、時には叩いてしまうこともあった。まずい対応をしたと思った時は、あとからきちんと謝るようにした。こちらが謝って○○だったんだねと言葉をかけるようにすると、娘も少しずつ言葉で伝えてくれるようになった。
余裕がある時に、娘の気持ちを言葉にするのを手伝うことを意識した。悲しかった、いやだった、など。2歳前からイヤイヤ期だったけれど、2歳半の今はわけもわからず泣かれることは少なくなった。

・紹介されて行ってみた活動の場で、先輩の障害をもっているかも…な人たちが、とても「明るく」、その「明るさ」に、うちの子も「伸びるんじゃないか」とプラス思考になれました。そこは、様々なことに対して「親のせい」みたいな話しが全く無く、その場に親がいてもいなくても、親がどんなであっても、本人に対する接し方に差がありませんでした。親ではなく、子ども本人に向いていると感じました。

・3歳くらいで「自閉症」と診断され、その頃から、講習会もたくさん聴きに行き、文献も読みあさりましたた。その中で、「『自閉症』の人は、生活の『海』の中に、やることの『島』が少なく、そこになかなかたどり着かず、海で溺れて続けている状態で、本人は必死で、苦しい状態。普通の人はやることの『島』がたくさんある」という、とある先生の話しがあり、イメージが分かりやすくなるほどと思えました。

・本人は、終わりが見通せないと不安になるようです。見学した施設では、カトラリーをセットする作業で、セットする物を並べた写真を作業台に貼り、その上に同じ物を並べて、全部並んだら袋に入れる、という終わりが見える形で作業しているて、なるほどと思いました。実習では、食事のこだわりの様子を見に来てもらい、施設でどうできるか考えてもらってます。

・4年前「おめめどう」に出会い、知的重度でも見通しが必要、持てる事を知り、家で実践したところ4ヶ月先の予定まで知りたがるようになりました。カレンダーやコミュメモは学校でも使って頂き「あるほうが良い」と実感頂きました。自己選択も教えに沿って実践、今は良いも悪いも自分の意思を出せるようになってきました。

・産前、妊娠中に通っていた趣味のサークルの先輩や、地域の子育て拠点のスタッフさんに子どもと離れている間、また子育てお相談をしています。また、自治体や子育てグッズのメーカーなど電話相談できる宛先も利用しています。

・ご飯の炊き方を教えとく、シーチキン缶とか、子どもが好きですぐ食べられそうなものを普段から買っておく

・なるべく外に行きました。公園や親子体操など。後は仲の良いママ友とよく過ごしてました。

 

応援ブックに盛り込まれているとよい情報やメッセージやイラストについて

 

・助けを求める先
・全国の、こどもと大人の居場所情報など
・完璧にできなくても、子どもにとってママが一番
子どもが自分のことをできないママだと思わないか、とても気になります…
・体調がしんどい時、口に出す(説明する)のが辛いので、体調、気分カード等見せるだけで良いもの
・ご飯の買い出しが大変なので、食材配達サービス等の情報
・ヘルパーサービス…私は結局利用できなかったのですが、精神的に抵抗感がある人が多いと思うので、どういう気持ちで受け入れたら良いかとか書いてもらえると助かりそうです
・なんとか、のらりくらりでもやりすごす方法
・子どもを一番大切に、自分も大切に
・保護者も、保護者役を休む日があっていいということ。
・自分のいたわり方
・実際に病気を抱えながら子育てをしている人の声が読めるとほっとします。なかなか、他の人と話ができないことが多いので。ひとりじゃないよ、なんとかやっているよ、いろんな助けを借りながらやっていこう、というメッセージが伝わるものになればうれしいです。
・人は、どんなにすごい人でも、他人に迷惑をかけながら生きているものだ!
・おめめどうは民営でグッズを販売しているのでこういった冊子でご紹介いただけるかは分かりませんが、こちらの考え方は2歳で療育の世界に入ってからは教えられたことのない内容です。(療育は先回りして失敗させないが主流なので)こんな考え方もあるという事はぜひ皆さんに一読頂きたい内容です!
・体がしんどかった時、治療院の友人が、「自分がやりたいことに向かって、ほんの少しずつ向かっていって」と言ってたことが、いまでも心の支えになっている。しんどい人はたぶん、世間の目がきになってよけいにしんどくなると思うから。

 

 

制作過程はこちらで紹介しています。
》ゆるゆるこそだて応援ブック制作日記