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『感覚過敏のチアキの世界』─苦手と工夫を探検してみました(後編)

『感覚過敏のチアキの世界』─苦手と工夫を探検してみました(後編)
2017年1月25日 pulusu

感覚過敏の探検のつづき。
(2017.1.20 静岡県言語 聴覚 発達障害教育研究研修会でお話した内容をもとに本コラムを作成)

》前編(はじめに+視覚過敏編)

2.聴覚過敏の世界

聴覚過敏のイメージ。

絵本の主人公のタク。『音がブーメランみたいにまわってくる』
音に色がついて見えるようなイメージです。

子どもの頃は、運動会や音楽会などの行事はキライでした。
運動は得意だったけど、自分の出番以外は、そおっと席を外していて、点呼のときにそおっと戻って来たりしていました。

テーマパークや映画館など、せっかくの楽しいお出かけのはずが、ぐったり疲れて落ち着かない子どもたちの中に、音や視覚的な刺激がしんどい子が紛れているのではないかと思います。
無理せずに、短時間楽しむ、疲れたら退散。がいいと思います。

私はいつもお出かけグッズには耳せん入れてます。
騒々しい場所でのイベントなど、片方だけ耳栓をして入れて、刺激を減らしています。(グッズは後ほど説明)

3.嗅覚過敏の世界

一撃です。
最近のエピソードでは、苦手な香水をつけたお客様が事務所(換気が悪い密閉空間)にいらっしゃったあと、その場にいることができず、午後はファミレスへ避難したこと。
絵の先生のところで、油絵を描いている生徒さんと同席したあと、翌日まで寝込んでしまったこと。がありました。

苦手な香水の匂いを嗅ぎ分けに行くことは怖くてできませんし、いくつになっても、初めて遭遇する苦手な匂いがあります。
初回は対応が困難…。その匂いのダメージがどれくらいか、計り知れない。
一度経験すると、対策がとれるようになります。
(例のお客様との打ち合わせは、今後は事務所を避けて、空気が流れる場所にする。絵の教室に行くときには、油絵の人がいないか確認する、など)

強烈にダメな匂いはこんな匂い。
(特定の)香水の匂い、油絵の具(油系全般)、ラッカー系、(特定の)線香、(特定の)柔軟剤、百合の花、菊の花…

子どもの頃は給食の匂いもありました。
社会科見学のゴミ処理場、宿泊研修…シーツの匂いがダメで一晩トイレで過ごしました。

強烈にダメな匂いには近づかないのがいちばんの対策(工夫)です。
デパートなどの化粧品売り場に近づくと頭痛がするので、その周辺の売り場に行かない。
隣りのお家の柔軟剤が苦手だと、窓を閉めて防御。
法事などの時には、線香をなるべく嗅がなくてすむように、率先して給仕係をする。などなどが習慣になっています。これはもう小学校の低学年からの習慣です。

4.触覚過敏の世界

 

触覚過敏のイメージ。
「知らんおっさんが、ずっと首根っこや、足のかかとのところを、つかんでいるかんじ」
とにかく落ち着きません。

小学生の頃はこんなかんじでした。
ランドセルは、苦手な色味の赤だったことと、背負ったときの感覚がどうしてもダメで、すぐに持っていかなくなりました。

それ以前の話では(記憶にないくらい小さい頃)、パンツをはくのをとにかく嫌がり「パンツこわい」と泣き叫び、結果、泣き疲れて大人しくなってからはかせていたそうです。
「パンツのゴム」がイヤなことを、当時は、説明できずに「パンツこわい」になっていたようです。

最近のエピソード。とある場所へお呼ばれしたときのこと。
苦手な靴下とスリッパのコンビネーションで、階段を降りようとした瞬間、どうしてもそのときの感触がたえられず、スリッパを蹴りとばしてしまいました(これは、ちょっとへこみました)。
目にゴミが入った瞬間払いのけるような、条件反射的な感覚でした。

身につけるものについては、洋服が好きなこともあって、非常に熱心に研究してきました。

》【感覚過敏】触覚過敏に対応した洋服選びとタグの外し方・詳細解説

内容
1.見て触って試着できるものは必ず試着(生地・タグ・ゴム・縫い目)
2.下着とセーターと靴下は要注意
3.まとめ買いのすすめ
4.重ね着のすすめ
5.タグの見方・外し方

私の場合は、楽しみながら、洋服選びをしています。
肌触りや着心地が合って、しかもセンスの合う服を見つけたときには、大きな喜びがあります!

そのほか

歯医者はどうにも無理です。
治療の必要性を理解し、事前に手順の説明をこまかく聞いても、いくら医療従事者であっても、無理なので、麻酔をしています。

給食エピソード。感覚過敏的な要素以外にも、気持ちの要素も大きいことがわかります。

 

完結編

》感覚過敏とのつき合い方と、感覚過敏対策おでかけグッズ


感覚過敏がテーマのプルスアルハの絵本・解説つき

子どもの気持ちを知る絵本3
「発達凸凹なボクの世界 ─感覚過敏を探検する─」

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